不動産は大きな買い物。その上、中古住宅は中身が大切。しっかり自分の目で品定めして、その内容や程度を納得した上で、買ってください。    
 

敷地のこと

 

         
    敷地の条件ばかりは、後では手を加えようもありません。 しっかりと自分の目で確認しましょう。

□ 敷地境界を確認して
どこからどこまでを買おうとしているのか。はっきり自分の目で確認してください。境界点はどの印で、塀は自分ちなのかお隣なのか、敷地の縦横の縦横の長さくらいは、敷地測量 図の数字を自分の目で確認しましょう。

境界には、こんな杭や鋲を、
必ず打ってもらいましょう。
 
    □ 再建築できるかどうか
その住宅が、違法でないかどうか。
特に、敷地の道路と接する部分が2mに満たないと、将来の建て替えはできません。 建蔽率や容積率をオーバーしている場合は、将来同じ大きさの住宅はできません。 よくわからなかったら、自治体の建築指導課に図面を持っていけば、将来、今と同じように建てられるかどうか教えてくれます。

2mないと建築できません。

 
 


□ 雨の日のこと
不動産を購入するときの常套手段。
雨の日に現場に出向いて、何かの不具合がないかどうかを確認します。
屋根の軒裏や壁にシミはできていないかどうかで、雨漏りのチェック。
雨樋は、下水に繋がっているか。下水があふれていいないか。とか、水が付近に集まりそうにはないか。敷地内に水たまりはないか。隣近所や道路から水が流れてきていないかは、地盤不良を見抜くため。こういうことは、快晴で気持ちのいい日なら、何もわかりません。


雨樋から農水の垂れ流しは
地盤がゆるむ恐れがあります。


 
 

建てられたときのこと

 

       
   

□ 生まれは建売?それとも注文建築?
新築と違って、中古にとって建てられたときのいきさつや、 増改築の経緯などは、大切な情報です。できるだけ建てられたときの情報を集めてください。建築時の確認通知書や検査済み証があれば安心なんですが、中古物件にこれらの書類が添付されることはほとんどないようです。法律上は、全ての住宅には、行政の確認済み証と検査済み証が交付されているはずですが、建売住宅では確認はとっておも検査済みは取らないという事例が多くあり、その場合は新築時に第三者チェックが行われた可能性はほぼなくなります。建売か注文かで中身が解るわけではありませんが、造られたときに、建主や行政の目が期待できた物件なのかどうかわかれば、ひとつの参考にはなりますので。


中古の場合、新築のようには、 造られたときのことが、
解りにくい。

 

 
   

□ これまでの増改築
これまでに増築などがあったかどうかを、聞いてください。増築の繋ぎ目のところや、以前窓をふさいだ場所や、後からつけたベランダなどに、故障が起きやすいので注意して見てください。 でも中古住宅として売り出される前に、内外装をリフォームされる物件もありますが、きれいになってしまってからでは、これまでの傷み具合から中身を知ることが出来なくなります。できればリフォーム前に見せてもらえるといいのですが。それから、中古購入後に増改築をしたいと考えているなら、プレハブやツーバイフォーは向いていません。在来工法なら、部材の交換や増改築は容易です。

□ 古家扱いの中古住宅
今の中古住宅市場では、俗に築後1年で1割価値が下がるといわれることがあります。実際でも築後20年くらい経過すると建物としての価格はなくなるようです。このような場合では、売買価格は土地の評価だけということになります。 こういった「古家付き土地」を買う場合、建物に故障があっても売り主に責任は生じません。買い主にリスクがあります。また、解体して立て直す場合、解体費用は概ね5〜6万円/坪はかかります。売買価格を交渉するとき、この費用を見込んでおかないと高い買い物になるかも…。

 

   
 

外観のみどころ

 

         
   

住宅の傷み具合や耐震性は、 外見や床下、屋根裏を覗くだけでも
ある程度解ります。

□ ピロティ
駐車場の場合など、上に2階がある1階の大きな屋外空間(ピロティ)は、特殊な手当をしていない限り木造住宅には向きません。壁がなく、地震で揺れたときに建物が捻れたり、柱がバラバラに動いてしまって壊れやすいからです。阪神大震災でも警鐘が鳴らされました。

□ 2階の乗り方
2階の壁が1階の壁や柱にのっかっていない場合は、要注意。特に2階外壁の角の柱の下に、1階の壁や柱がなければ、建物の骨組みは相当無理をしています。
地震や台風の力は、建物の弱いところに集中します。無理のないバランスのとれた骨組みかどうかは、2階の乗り方がいびつでないかどうかでわかります。

□ 足元
建物の基礎や土台にひび割れや腐れがないかどうかをチェックしましょう。 外をグルリと廻って、コンクリート基礎のひび割れがなければOK。表面だけの亀甲状の隙間が見えない程度のひび割れ程度なら心配ありません。でも、もし爪が入るほどのひび割れがあっるようなら、基礎の不同沈下の恐れがあります。専門家に診てもらった方が安心です。

 










基礎の大きいひび割れは、
要注意
 

中身を覗く

 

       


土台が腐ってませんか? 
 

断熱材のたわみはありませんか?
 


間取りやインテリアだけに目を奪われず、 もう一歩踏み込んで、
中身を見て下さい。

□ 床下
床下がカラッとしていれば安心。
そうでなければ、千枚通しを持って、コンクリート上の土台等の木部を差してみてください。ぐさっと入れば、腐っています。
また、床下の断熱材が垂れ下がっていませんか。床面に密着していないと冬場その部分に結露して木の腐れを早めてしまいます。

□ 屋根裏
屋根裏では、次の2つが解りやすいでしょう。
いろいろな部材の接合部に隙やズレがないかどうか。
金物は錆びていないか。木部に湿ったところはないか。
金物が錆びたり湿ったところがあれば、雨漏りの心配や結露の心配があります。結露は、木の寿命を縮めたりカビで室内空気を汚したりします。また屋根裏の換気が充分でない証拠。夏には屋根裏が高温となり、部屋が暑苦しくなるかも。

   
金物の錆

屋根裏の結露

□ 建具
扉や障子を動かして、建て付けをみます。引っかかりがあったり隙間が空いたりする部分があれば、建物がゆがんでいる可能性があります。 床にビー玉を置いて転がるようなら床が傾いていますが、厳密に瑕疵故障を疑うなら床の傾斜測定をした方がいいでしょう。

□ ひび割れ
内装がビニルクロスでも裂けていたりするところは、建物が変形していることを示している場合があります。見逃さないでください。

 


 床が傾いて、
 扉を閉めても隙間が…
           
    中古住宅の場合は、その傷み方がその家の性格をある程度示してくれています。単に内装がきれいとか、間取りが気に入ったということだけでなく、地震に対する強さや長持ち程度、住み心地について具体的に調べてから、購入することをお勧めします。    
   
 
   
         

 

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