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バリアフリー

高齢者あるいは障害者向け住宅を称して、バリアフリー住宅と呼ばれるようになりました。これはBarrier-free(障害のないこと)つまり高齢者や障害者が引っかかったりつまづいたりするような、段差を無くしたしつらえのある住宅の意味に使われます。
これに似た意味で、ユニバーサルデザインということばもよく聞きますが、これは年齢や体格や障害の度合いに関わらず誰もが利用できる製品や環境のデザインのことです。広い意味でのバリアフリーということもできます。

これらの考え方は、ひとりひとりのふるまいや暮らしにふさわしい家づくり、ひとつひとつの住宅をひとりひとりに合わせて造り込んでいくというという、本来の「わが家の設計」のスタイルと同じです。
この造り方は、家づくりについては標準モデルを当てはめるのではなく、すべて「あなたに合わせて」ということ。考えてみれば当たり前のようなことなのですが、家づくりが商品化されてしまった今では、これを強調せずにはいられないくらいの世の中ということでしょうか。

ここでは、高齢者や障害者の暮らしに障害のないしつらえの例として、一般に共通する工夫を、下に紹介します。
 
だんらん、たちふるまいや介護の容易さゆとりある広さ
  〜 各室や廊下の標準寸法以外の適用

寝室とトイレや浴室との距離、遮音構造、上下階の関係
  〜 各室の位置関係や、人の動線や配管経路の整理

手摺、段差、腰掛、スロープなどの工夫、滑りにくさ
  〜 移動空間のきめ細やかなしつらえ、あるいは将来対応

身体機能に合わせた設置や変更の容易さ
  〜 設備機器の選択のバリエーション

室温の急激な変化を防ぐ、あるいは建材の「冷え」への対処
  〜 温熱環境設計、熱対流だけでなく輻射や伝導性の考慮

廊下、階段、寝室、居間などの明るさ暗さへの配慮
  〜 光環境設計、照明計画あるいは外部建具デザイン

緊急時の通報や避難時の安全性の確保
  〜 非常通報設備、ホームセキュリティ、避難設備
 
 


バリアフリー住宅には、この他にも多くの工夫が考えられます。住宅会社が単なる売り文句としてバリアフリーというだけで安心してしまわないで、上の例を参考に、あなたにあった工夫ができているか考えてみてください。その時には、当面完成する工事だけに目を奪われず、将来対応できるような骨組みや下地を用意したり改造の可能性を造っておくことも視野に入れることです。
これらの工夫は、前段にもあげましたように実は特別なことではなくて、高齢化社会を迎えるにあたっては、どんな家づくりにも盛り込まれ一般的なことになってくるのが時代の要請ではないでしょうか。
その時には、家の設計力の役割が、さらにどんどん大きくなってくると思います。

 
       
   

 

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