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予算と工事費
  お金は、家づくりの血液です。 過不足なくうまく流れるよう、次のステップで考えましょう。つまり、資金調達と予算配分です。  
   


まずは資金調達。家づくりの最初に必要なお金(初期費用)を、どのように調達するかを見込みます。 貯蓄額、親からの資金援助、ローン借入金などで、合計いくらをまかなうかを決めます。 この時には毎月の返済額が無理のないように、竣工後の維持費用も勘案しておきます。 概ね、10年後に100万円ほどの修繕積立ができる程度(月1万円弱)は欲しいところです。

次に予算配分。資金調達で見込めた初期費用のうち、いくらまでを工事費用に回せるかを考えます。 そのためには工事費以外の諸費用の見当をつけておくことです。工事費以外とは、税金や設計料、祭事費、移転費などです。当初の用意できる費用すべてを、建築工事に充当できるわけではないことにご注意ください

できればこのとき、ぎりぎりの予算組は避けて、予備費を10〜15%程見込めたら理想的です。でもついつい計画をよくばって予算を使い切るか、予算が不足してしまうのが人の常(私もそうでしたが)。予算が足りないときは、今しかできないことにお金を使い、後でできることは後回しにするのもひとつの方法です。例えば基礎骨組みにがっちりコストをかけて、インテリアは最小限にして、残りはDIYで仕上げるとか。
それから、建築の工事費には、原材料の費用に人件費が同じくらいかかっていることを忘れないでください。どんなにプレファブ化が進んでも、個々の敷地に建てつけるのは人間の手です。ここが家電や自動車と違うところ。つまり、モノを買うという発想より、人に造ってもらうという気持ちに切り換えていただく必要があります。特に建築工事では、造ってくれる人にお金を使うという意識が、お金の価値を増してくれます。

 
   

<余談…>
ある不動産会社のホームページで、「土地代が半分になったのだから建物代も半分にならないのはおかしい」と読んだことがあります。土地本位制が崩壊してしまった今その議論には過去の空しい響きしか聞こえませんが、その話の裏側に、建築費の大半を占める人件費には職人さんの生活費が、そのベースにあることにあらためて気づかされました。家づくりの職人さんへの心づくしという見方で建築費を見ると、たがいに労力を負担して助け合って生きていくという、一見古くさくてシンプルに見えるけれど、これから社会の原理になっていくような新しいスタイルに思えます。
大組織や巨大システムで何に使われているのか解らないようなところにお金を使うより、実際に自分に対して働いてくれる人にこそ大切なお金を払いたい。そんな時代になってきたのではないでしょうか。
   

 

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