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伝統工法
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日本古来から歴史的に洗練され積み上げられて来た木造建築の、建築生産技術をいいます。古い社寺や民家に見られるような、木工技術による仕口(部材接合部の加工)と部材の組み合わせの方法。基本的には、補強金物には期待せず、すべて木や土の特性を活かして利用します。それらを担ってきたのが宮大工さんや棟梁たちです。伝統的に受け継がれてきた匠のワザはすばらしいものですが、短期ローコスト生産が求められる戦後の住宅建築では需要が減り、技術の伝承方法が課題となっています。
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在来工法 |
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広い意味では、外国から移入された技術や最近開発された技術に対して、これまで一般に広く普及して利用されている工法をいいます。
木造住宅の場合では、戦前までの伝統工法がベースですが、それが戦後になって、金物補強や筋交いや断熱材やアルミサッシ等の新建材を使用して、大量短工期ローコストでの住宅生産が可能なように改良された工法のことをいいます。現代では、一般の大工さんや工務店さんが造る木造軸組構造の住宅を、プレハブやツーバイフォーに対比してこう呼んでいます。 |
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プレカット工法 |
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木造骨組みの仕口(接合部)を、工場で機械加工(pre-cut)して、現場敷地で組み上げる工法。 最近では、図面CADデータから直接、各部材の仕口のMCデータを自動育成して出荷することができます。機械が自動的に部材を加工し補強金物で留め付けますので、加工精度と速度が期待できる反面、個々の木材部材の特徴を見極めて適材適所に配置するかつての大工棟梁の技量は失われます。今ではほとんどの在来工法はこれを利用する傾向にあります。通常、これまでのような大工さんの下小屋での刻み(手作業によるかんな掛けや仕口づくり)に比べて、かなりの時間短縮とローコストとなります。 |
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枠組/ツーバイフォー |
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合板の周囲を枠部材で囲い、それを壁や床として使用する工法を枠組工法とよびます。 住宅一般では、木造枠組壁式工法つまりツーバイフォー工法の和名として使われる場合が多いです。
ツーバイフォーとは、2インチ×4インチあるいはその整数倍の断面の大きさの木材で木枠を造り、その上に合板などを釘打ちで留めつけて壁として組み立てる工法です。もともとは、北米で開発された住宅建設手法で、ヨーロッパ組石造やログハウスのように、壁自体を面部材として全体をささえ、窓を穿つ(うがつ)という考え方。柱梁で全体を支え、間に壁や建具をたてつけるという考え方の日本の伝統的軸組工法とは対をなします。 |
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工業化/プレファブ住宅 |
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工場でほとんどの部材を製作し、現地での作業を極力少なくする方法。pre-fabricate(前もって製作する)工法。現場生産の工法に対比して、工業化工法という場合もあります。現代では、多かれ少なかれ工場製作ものが使われていますので、厳密な線引きはできませんが、部屋組全体や外壁等の面部材を工場で製作して、現場で組み立てる工法を指していいます。部材は工場生産品なので精度が高く均一な品質の部材が得られますが、敷地での組み立ては現場精度とならざるを得ないので現場の品質管理体制が住宅品質に大きく影響します。 |
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ユニット住宅 |
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量産効果を上げるために、住宅を部屋ごとにブロック化して、躯体(骨組)や仕上、設備配線などを、工場で組み込んだものを現地に搬入する方法。住宅全体をまとめて製作するトレーラーハウスの方法もあります。 |
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パネル工法 |
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居住性能や生産性を向上させるために、断熱材や気密シートをサンドイッチした壁体を工場でパネル状に製作してくる工法。 メーカーによって、サンドイッチの材料や仕方にいろいろな方法が開発され商品化されています。骨組みを木造や鉄骨で造って、壁をパネル化して用いる場合もあります。 |
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輸入住宅 |
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海外で生産された部材や材料を輸入して国内に建てる方法による住宅の呼び名であり、生産方法を示している名称ではありません。どの部材をどれだけ輸入し、現地でどれだけを造り上げるかの割合は、メーカーによって違います。たとえば、窓や仕上材だけを輸入して、在来工法によって造る住宅を輸入住宅と呼ぶのかどうか、その区別は非常にあいまいです。この呼び名だけで、住宅の構造工法を判断しない方がいいでしょう。
住宅のデザインは地域の風土や様式などから生まれます。あなたの地に建つ家に、別の地域や生活様式の形を持ってくることの無理がないかどうか、あるとしたらその無理がどのような故障を引き起こしやすいのだろうかなど、充分考えてみてください。
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