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住まいのスタイルは、暮らしを営むスタイルそのものです。それは日頃の仕事をするときのしつらえ。それらが、くり返し経験され受け継がれ、よしとされた形が、地域に応じた生活様式として、私たち自身の暮らしの中に脈々と生き続けることがあります。
たとえば、夏の打ち水とか縁台、洗濯物干しになる広縁、玄関や作業場になる土間などもそうです。デザインが、共に暮らす人、周辺、地域と「折り合いをつける」こともできるとすると、その役割は見逃せない大切な要素。かつてのスタイルの中にも、これからの居心地の良さへのヒントが隠れています。
わらべ歌、30年代ショップ、和風回帰など、21世紀になってからこのところ、そんなヒントが世間に顔を覗かしはじめています。
新しく開発されたり移入されたりする暮らし方は、一時期の便利さや魅力を感じても、最後までほんとうに私たちに安心を与えてくれるのかどうかはわかりません。自分らしい家づくりは、本当に自分らしい暮らしをじっくりデザインしてみることでもあります。いつかは必ずはげ落ちる、借り物のスタイルではありません。 |
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