<日射そのまま>
一番シンプルなのは、太陽光をそのままで家の中を暖める方法です。南に面して大きな窓を設け、土間床や壁をつかって熱を蓄えます。直接、太陽熱を取得することをダイレクトゲインといいます。ダイレクトゲインによって熱を取得し、家の断熱性能を高めて熱が逃げないようにすれば、関西地方ではそれだけで充分暖房エネルギーがまかなえるくらいのエネルギー量になります。太陽光を直接、蓄熱体に当てて部屋を暖めるため、それだけでは、その熱を家全体に巡らせることができません。そのため、室内の空気をうまく対流させて家中を暖かくする方法をとることが多いです。これをパッシブソーラーといいます。
<電気>
太陽光発電、太陽電池、ソーラー発電などともいいます。太陽の光をシリコンなどの半導体に当てて電気を取り出すしくみです。電気だけにいろいろな使い道がありますが、蓄えることができません。太陽光電池は、エコロジーの旗手のようにいわれることがありますが、太陽電池自体が半導体なので、生産時に大量の清水と電気エネルギーを消費します。またガラスパネルに密着させたシリコン結晶体は、そのままでは廃棄できないので、廃棄時も問題があります。
<水>
太陽の熱を効率よく吸収し、運搬し、蓄えるのに最も適しているのは水です。屋根の上にお湯取りのパネルを設置し、配管をつないで貯湯タンクにお湯として蓄えます。いわゆる太陽熱温水器がそれです。これまではお風呂などの給湯用が一般的でしたが、今では各種熱源のボイラーと組み合わせて太陽熱に加温し、室内放熱器との間を循環して暖房に使用することができるようになりました。
<空気>
太陽の熱で暖まった空気を、ファンで強制的にダクトを通して床下に吹き入れて、家中を暖める方法があります。OMソーラーというフランチャイズ工法です。太陽熱暖房と機械換気を合わせて行います。空気は温度を運ぶには、水に比べると効率が低いので、空気だけでは取りきれない熱は、お湯取りラジエーターで水に代えて運んだり蓄えたりしています。
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