窓をあけて空気を入れ換えることは家のつくりとしては比較的簡単なことで、通風のいいこと(風通しのいいこと)を良好な換気性能であると勘違いしないでください。窓を閉めた状態でする換気はそれなりの工夫がないとうまくいきません。換気には、換気扇などの動力で行う方式<機械換気>と、屋内外の温度差で自然に換気する方法<自然換気>とがあります。
機械換気は、必要量の換気を確保しやすい安定性が長所ですが、設備費用と光熱費がかかること、メンテナンスが欠かせないことが短所です。
自然換気は、費用や手間もかからず騒音もないのが長所ですが、季節や風向きの影響が大きく換気量が定まりにくい欠点があります。
室内換気は、一軒一軒の条件が異なりますので、これさえ買えば幸せになれるというような万能の模範解答はありません。たとえば吸気口や排気ファンはあればいいというものでもなく、室内の圧力差によっては吸気口から空気が入らず換気不足の部屋ができてしまったり、逆に空気が入りすぎて外の砂埃を入れてしまったり肌寒さを感じてしまったりすることがあります。
いずれにしてもライフスタイルや敷地条件など、ひとつひとつの住宅の事情にあわせて、新鮮空気の取り入れ口と汚染空気の排出口を適切に設け、どの部屋にもまんべんなく空気が入れ替わるしくみを確保しておくことがとても大切です。
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