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骨組みの腐蝕
構造工法別に、骨組みの腐蝕についてご説明します。骨組みの腐蝕は、つまり家全体の寿命を左右しかねない最大の劣化故障です。
 


木造

 
 
木造骨組みの劣化は、水分が原因です。木材は、乾燥しさえしていれば丈夫なものです。強度的に老化して使えなくなるというのは百年単位の出来事です。伝統的な社寺仏閣が木造で多く現存していることからも解ります。
木造で、雨漏りや結露、床下からの湿気などにより柱や梁や土台が腐るというのは、木材が一定以上の水分を含んだ状態から始まります。そうなれば、カビが生え、さらに湿気を呼んで木材腐朽菌が活動しやすくなり、木を柔らかくしてしまいます。そんな状態の木は、シロアリの標的になります。腐朽菌やシロアリの食害にさらされた木材は、強度的に使い物にならなくなり、家をダメにしてしまうのです。このように、木造骨組みは、湿気によって傷みます。
 
 
鉄骨造
 
   
鉄骨骨組みの劣化は、によって決まります。
ご承知のように、鉄はさびるごとに錆びアカを落として痩せていきます。鉄骨骨組みは、必要な力に耐えられるだけ鉄骨部材や接合部材の断面積が設計されています。錆による腐蝕が進行して断面積が減ってしまえば、骨組みは立っていられなくなります。溶接部やボルトナットも同じです。
鉄骨が錆びるのは、雨漏りの原因もありますが、特徴的なのはやはり結露です。鉄骨は木材に比べて熱を良く逃がしますので、冷たい大地に立っている柱も冷たくなります。この部分の断熱気密が手薄だと、すぐ結露してしまうのです。柱や梁に生じた結露は、錆止め処理の手薄になりがちな、部材端部やボルト穴、溶接部に流れ、錆を進行させてしまうのです。鉄骨造にとっても結露対策はたいへん大切です。
 
 
鉄筋コンクリート造
 
   
鉄筋コンクリート骨組みの劣化は、どのようにすすむのでしょうか。
表面の傷みとしてはひび割れが目に付きやすいのですが、ひび割れ自体よりそこから入ってくる水による、鉄筋の錆びがこの骨組みの耐久性を決めてしまいます。
コンクリートは最初はアルカリ性なので、それに守られている鉄筋は錆びにくい状態にあります。しかしそのアルカリ性は、年を経ることに表面から空気中の炭酸ガスと反応して中性化していきます。この中性化領域が徐々に深くなり、ついには鉄筋位置に達したとき、鉄筋は錆びに対して無防備な状態になります。コンクリートが中和しただけでは、コンクリート自体の強度が低下することはないのですが、そこに微少なひび割れなどによって水分が入ってしまえば、鉄筋の錆びを抑止するものがなくすぐにさび始めます。
鉄筋は錆びると錆びた部分の体積を増し、周囲のコンクリートを押し広げます。これがさらにひび割れ幅を広げて水をより浸入しやすくしてしまいさらに錆びを進行させます。この結果、鉄筋の健全な部分の断面積がどんどん蝕まれやせ細り、初期の強さを発揮しなくなってしまいます。このようにして鉄筋コンクリート骨組みの崩落が始まるのです。鉄筋コンクリートにとってひび割れの処理が大切なのは、このためです。
 
   

 

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